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冬流
長野県松本市

冬流

あたたかい涙を森深く流し続けて
真っ青に凍てついた石の顔を溶かしていく
ぼくは吟遊詩人
そよ風の上に立ち
眼を瞑り
全ての音たちの頂点を1本の沢の上に集める

ぼくは思う
限りなく薄い風に触れて
しぼんでしまう花があってもよい
しかしその花の色は白であってほしいと

あらゆる芽吹きの突端から
炎のように舞い上がる
いのちと呼ばれる空間よ
明日ひるがえる小さな旗に
深く深く刻んでゆけ
はかなさが真新しい雲を彫刻するように

あたたかい涙を森深く流し続け
真っ青に凍てついた石の顔を溶かして
その水面に近いところから
ほほえみを創っていけばいい
自然に浮かべたほほえみは
涙を越えて海へそそぐのだから

原 静鳴

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